1997-05-10 14:00開演 大塚・萬スタジオ
私、こういう話好き。おもしろかった。やっぱりこの前のヤツ(『星空を見上げた夜に』)はなにかの間違いだったんだな。よかった、元に戻って。
こういう話とは、殺人事件の謎を解いていくと…、というのである。最後全部ひとつの事件に繋がるのがちょっと都合が良いかな。よかったのは、ナイフを使うという点で、萩原真里亜(川名亜希子)が葛木俊一(梶原聡)を殺そうとしたところが、カタチ的に好きである。そのとき横に立っている平林楓(夏谷理恵)も、夫を結果的には死なせた怨みみたいなものがこわくて、よかった。キーワードになっていたらしい「手紙」が今一つわかりづらかったが。
でも、帰る途中に電車の中で考えてみると、細かいところがすっきりしない。なんで楓と平林時夫(芹口康孝)は、俊一の診察室をあさりに行ったのか。真里亜の記憶が突如戻っていたのも気になったし、片岡(岡本新悟)に刺されて瀬島憲吾(鈴木茂樹)が死ななかったのは、防弾チョッキのおかげだろうか。それと連続猟奇殺人事件の真犯人を知る謎解きが不十分。どこからどこまでが通り魔で、どこからが猟奇殺人事件だったのか。通り魔は、幹生と楓の夫殺しだけかな?逆恨みによる復讐ということで。
エピソードが多くて、どこに主眼を置いてあるのかがわからなく、中途半端な気がした。だから最後あんなに急展開になるのである。あと、「小城響子オン・ステージを観に来たんぢゃないぞ、私は」と思うところは否めない。出てくるたびに歌われると飽きるし、必ずしも歌う必要はない。後援会の人たちはいいかもしれないけど、私はちょっと。
次回公演もこの調子であるようにと願いつつ、次々回公演の「木蓮の咲く丘で」はなにがあっても観に行こうと決めたのであった。
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