1997-07-08 1997-07-15 13:00開演 東京宝塚劇場
原作が「危険な関係」だけあって、どうなるかな、と思っていたのだけど、結構フツー。すみれコードぎりぎり、なんてこともないし。というより、どこからがすみれコードなのか知らない。トゥールベル夫人がヴァルモンにドレスを脱がされるところもなんてことないし、髪の毛がばさって落ちるところも別にふつう、というのは慣れ過ぎか。はっきり言って、ヴァルモンとトゥールベル夫人のラブシーンは溜息もの。我を忘れて背中に手をまわす、マリアンヌ。あゝ。まあ、トップコンビがそろいもそろって、性に開放的(恋人を取っ替え引っ替えしている、というほうが適当か)なのは今まで例を見ない、ということなのだろう。
柴田氏の作品は、わりと構造的にワンパターンかな、と思ったりするわけだ。イレコ(入箱?)構造というらしいんだけど、ある一定の時点の「今」から、過去を回想、その延長として「今」にもどり、その後が展開する、というものだ。私が見て知っているのをあげると、「ヴェネチアの紋章」、「忠臣蔵」、「うたかたの恋」、「あかねさす紫の花」などである。だから、またかな、と思わないわけではない。
原作のフランス革命直前から七月革命直前に設定を変えていたのだけれど、うまく本筋と絡められていない。どうして市民が暴動を起こさなければならなかったのか、という背景・説明が不足して唐突に感じた。シャルル10世が何をしてブルジョワの反感を買ったのか、王政復古のひずみを描いたほうが良かったと思う。だけど、そうすると「危険な関係」ではなくて、「ベルばら」月組編になってしまうな。いっそのこと、貴族の愛憎ドラマに絞ったほうが、すっきりしたと思う。
私は三木章雄氏のショーをナマで観るのはたぶん初めてだ。良くも悪くも、「アメリカ」って感じのショー。大道具さんが舞台に出てきて、お客さんに見えてしまうのは、どうにかならないだろうか。
ハーレムナイトが少し期待はずれだったのだけど、ル・ジャズ・ホットが、大変おもしろかったので、チャラとなった。6月のショーが少々体力を必要として疲れたのだけど、7月はオーソドックスなショーで、私はこっちのほうが落ちつく。
ル・ジャズ・ホットで、壁が壊れるとき、ストロボっぽくライトがちかちかするけれど、光のああした効果にショック症状を起こす人がいるので、その点の注意書きが必要である。
以下は、以前@home > impressions-1997 > 仮面のロマネスク/ゴールデン・デイズ