座・はるしおん ショートショート「テープレコーダー・郵便箱・ベンチ」

1998-09-12 17:30 開演 多摩市関戸公民館第1集会室


劇団の名前だけは知っていた、座・はるしおんをやっと観ることができた。ショート・ショートで芝居を見るのも初めてだ。ショートショートだから、深い意味はないけれど、「郵便箱」はおもしろかったなあ。

女性の元に届けられる謎の手紙の話で、この女性は、フーグなんじゃないだろうかねえ、と思わず分析してしまった。警察に届けたらこんな取り調べを受けるに違いない、というシミュレーションも、真に入っているから、彼女の狂気(?)を少々かいま見た、という感じである。

「テープレコーダー」は、この婦人はいつもこうして出ていくチャンスを逃しているに違いない、という感じが出ていた。テープに生活の仕方を吹き込み、家を出ていく準備も整えながら、最後旦那が早く帰ってくるのかなんなのか、思わず「お帰りなさい」と応えてしまう。一昔前なら身に覚えのある人もいたんぢゃないのかな。「炊飯器は冷蔵庫の横の四角い白い……」なんて説明(含 当てつけ)しているのが、そこまで言わないとわからない男の人を想像しただけで笑える。

最後の「ベンチ」は三人芝居で(前のふたつはひとり芝居)、さっきまで主婦だとか、謎の女性を演じていたのが、ちょっと背筋を曲げたり口をすぼめただけで、老人に見えてしまえるところが凄い。


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