1998-12-12 14:00 開演 東京経済大学葵陵会館小ホール
タイトルを直訳すると「至上の幸福」なんだけどね。上演時間が長かったのは苦痛ではなかったし、テンポは速かったのでむしろ時間を感じさせなかったくらいだったのだけれど、中身がいまいち退屈。
主役のふたり、サトル(鈴木智)とイツキ(中林美貴)には、あまり入り込めなかった。すべてがサトルの壮大な夢の内容だとしても、うじうじしている。特にイツキ。彼女は、まじめな健常者代表というところがあって、障害を持った人(=サトル)に気を遣うあまり、そうと知らずに差別しているようなところ(腫れ物&ワレモノを触るみたいに接する部分)が、非常にイライラした。
救いは一番最後の現実部分で(それまでが夢の話というのも、なんだかありきたり)、イツキが「私がいるじゃん」と言う。サトルと付き合っているのは同情ではなくて、好きなんだから、それ以上でもそれ以下でもなんでもない、という感じがさりげなくでていた、と私は感じた。
しかし、いくら夢の中とはいえ、「コイツゥ」と言いながら指でおでこを弾くというのも、なんかなあ。今時のコイビト達にああいうことをしている人がいたら見てみたい。周りの観客の中には喜んで(失笑かも)いる人もいたけど、観ていて寒かった。2回目のほうが、マスカット(沼田憲司)たちを挟んだので、でこぱっちんはココナッツ(金久保尚克)にしていたし、彼らがいることで少なくとも現実性は薄れているから、ましだったけど。
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