ベターポーヅ「おやつの季節」

1999-05-01 14:00開演 ザ・スズナリ


ちょっと様子が違う。あ、西島さんが登場していない。永谷亜紀が振り付けするようになって、抽象度(?)が増した気がする。ストーリー的に「次はどうなる」って云うおもしろさではなくて、出演者の動きや間や台詞で「次はどうなる」というおもしろさって云うの?それがベターポーヅの醍醐味だと思うし、ストーリーは二次的だし、あまり意識していない。理解しないよりしたほうがいいんだけど。ただ、わりと唐突に最後ダンスに突入するでしょ。

今回は豚を巡る話。砂の中にいる豚は至高のおやつ。豚は蟻に浚われて、女優は失恋してハードボイルド・ヒロインの死に方の練習に明け暮れる。

女優アグネスちゃんの市川菜穂は、本当に女優みたい。この書き方は適切ではない。活動写真にでてきそうな女優さん。NHKあたりが好きそうなカンジ(?)の女優ぶりだった。アグネスちゃんはラブコメディのヒロインがイメージだそうだが、ラブ・ロマンスではなくてラブ・コメディというのがベターポーヅなのである。つまり、ビビアン・リーではなくって、オードリー・ヘップバーンね。アグネスちゃん人形を作っているあたりが、いいのである。そして、地元の特産物として、紅茶で煮詰めた紅茶人形としてノセ(阿部光代)が売っているから、いいんである。

茶目子(松浦和香子)の、彼女を見るとキスしたくなるから、透明な被り物を被らせてワンクッション置いているという設定が面白かった。名前をチーズと改名したら字画が悪くて、素顔で見てもキスしたくなることがなくなったというのも、オカシイ。

一度、キャンディが食べたくて被り物を取ってしまったが故に、みんな(姉のノセまで!)キスしたくなってあわててプラスチックの透明な容器を被るけれど、結局みんな抑えられなくて容器にキスする場面、あそこはけっこう好きだ。内側にいるとどんな気持ちなんでしょうか。


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