監督・脚本:カン・ジェギュ(姜帝圭) 1999年/韓国/124分/配給:シネカノン、アミューズ
2000-01-22 11:00 開演 川崎チネチッタ
おすぎのCMのことは観た後に知ったのだが(話を聞いてみると、どうかと思うCMだけどね)、観て損はなかった。アクションもしっかりしているし、最後に泣かせるツボもある。エンディングが流れても席を立つ観客が少ないっていうのも、珍しい。冒頭の北朝鮮工作員の訓練風景から、掴みはOK あとは、ストーリーに引き込まれていくだけである。
殺された、情報提供をしようとした武器商人と武器商人から多額の金額を振り込まれていた研究所員、奪われたCTX(液体爆弾)。背後には、韓国情報部のユ・ジュンウォンが以前から追っていたスナイパーのイ・バンヒと北朝鮮第8特殊部隊の姿が見える。なぜかいつも行動を先読みされ、そしてついに彼自身の命も狙われる。1ヶ月後に結婚を控えた婚約者のイ・ミョンヒョンをホテルに匿うが、彼女は断っていたアルコールに再び手を出していた。そんなとき、奪われたCTXを用いた爆破テロが起きる……
観客に一部の隙も与えない。南北分断については当事者なだけに、フィクションだけど実際にありえなくもない、という緊迫感が伝わってきた。最後のほうで、イ・バンヒとジョンウォンが互いに銃口を向け対峙するシーンでは、バンヒが韓国に潜入してからの6年間、ジュンウォンと出逢い愛し合った間、別れを覚悟した留守番電話のメッセージ(これは後日談として描かれる)、彼女が何を思(想)い生きてきたのか、それを思うと、胸が痛くなる。
それにしても、日本映画って、一体お金をたくさん掛けてなにやってきたんでしょうね。同じ3億円(貨幣価値が違うから実際には10億くらいか)でも、雲泥の差、月と鼈である。
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