宝塚歌劇団月組 「大海賊」「ジャズマニア」

2001-08-23 13:30開演 東京宝塚劇場


「大海賊」

海賊に両親を殺され、自分も海賊になった青年の、愛と復讐譚。シナプスをみると、ちょっとだけ谷正純的展開という感じがした。なにげに割と人が死んでいるし、なにしろヒロインが主人公を庇って実兄に刺し殺されるのだ。しかし、舞台上が死体累々にならないのと「客席よ、泣け〜」という計算が見えない分、また「仲間がいるさ〜」的な結末のおかげで、後味は悪くはない。

このテの話は好きな部類に入るほうである。また、内容も重厚ではなくさっぱりしており単純明快、深く考えないですむので、それがいいか悪いかは別として、疲れた頭にはもってこいである。

この公演でトップ就任となる紫吹淳は、舞台上の孤高な雰囲気とかがますます清春に似て、超格好イイ。相手役はまだ研3で、紫吹淳と対等に愛を語るにはなんだかバランスが悪いが、今回のような恋に恋する少女という設定は、映美くららの初々しさと相まって、はまっていたと思う。今はまだ、紫吹は自分のトップ就任&初めてづくしの映美のフォローに回る格好になっており、映美もいっぱいいっぱいの状態のようなので、ふたりとも本領発揮とは言い難いのではないか。映美が組にも慣れ硬さが取れる(であろう)次回作以降で、どのようなコンビ展開になるのか、注目どころである。(しかし、このコンビのツーショット写真はどれも、兄と妹という空気が漂っているなぁ)

ヒロインは死んで海に流されるが、トップ就任で相手役は死ぬの?という展開はともかく、海に帰して生まれ変わる(=回帰)というのが、映美くららの月組の一員となるのだという通過儀礼のようでもあり、興味深い。


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