2002-08-10 17:00開演 新橋演舞場
チャンスがあればまた観に行きたいと思うほどオモシロかった。スピーディーな展開にアクション(殺陣)、ある種男の友情ものの話も分かりやすい。染五郎も堤真一も声の通りがいいので素敵である。染五郎が歌舞伎のそれに対し、堤真一なんだかよくわからないけれど非常にいい声という。
意外だったのが、水野美紀である。チラシを見たときは、映像の人だしどうするよ、という感じだったのだ。確かに、台詞は声を張り上げて聞きづらいと思うところもあった。が、アクションはキレのある流れの美しい動きで、舞台姿がカッコイイぢゃんか。しかし、キメ所で失敗してはいけない。また陣妙丸の鬘と衣装は、どうしようかと思った。はっきりいって似合ってない。格好良いんだけど哀しい役なのに〜 千穐楽まで日はあるので、どうにかして着こなしてほしい。そして、いのうえ歌舞伎には欠かせない西牟田恵であるが、立烏帽子という盗賊の首領でほとんどアテルイの右腕の剣士状態なのが、ツボにはまった。最終的には『犬夜叉』の時と被っているような… 水野と並ぶと、骨太さを感じてしまうが、この人もたいていカッコイイしキレイである。立烏帽子も陣妙丸も鈴鹿も強くてカッコよくてどこかしら謎!!なのは、好きである。
大和が「居ると思う処にいる」という帝(=無形、幻)を神としているのに対して、『もののけ姫』もそうだったけど、蝦夷の神が有形で「命ある」存在というのが、おもしろい。アテルイもアシタカも神を殺して蝦夷を追われていたり、側に「エボシ」という名の女性がいるあたりの類似性も、蝦夷の伝承の中に、なにかあるんだろうな。
余談。一緒に観に行った、会社の同僚Mさんは、見得を切ったりしたところでの拍手がうるさいと思ったそうだ。私は宝塚で(たいていそれはショーで出くわすほうが多いのだけど)慣れていたので全然違和感を感じなかったのだが、むしろいちいち拍子木が「カーン」と鳴るほうが耳障りだった。
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