観劇の記録[impressions-西暦]と題しているのに、ただの観劇(予定)表になっているのもどうかと…。観っぱなしという状態もナンなので、観劇メモです。ただし、鮮度が落ちてしまったものは捨てました。
2002-12-01 13:30開演 パルテノン多摩小ホール
聖よりで見ていたので、絹子サンずるいなあ、と。
絹子は恋人と火曜日しか遭えなくて、彼は「愛してるよ」と云えばいいと思っているような男で、騙されたフリしているけど、でも彼のことを愛している。一大事があったわけではないけれどなんとなく別れて、おまけに食事持ってきた聖にも去られて(それは絹子にキスしていたたまれなくなった)、それで聖のもとへ行くのはどうかと。しかし、それぞれが唯一無二の存在であった恋人と聖のふたりがいなくなったときの絹子の孤独感は見事だったので、聖を追いかけていく流れは自然だった。その前段階で、ひとり荒れている絹子の様子を隣室でぢっと伺っている聖の「入っていけない」疎外感も、身に覚えがあるだけに切ない。
観ている側を裏切るラストなので、やっぱり絹子サンずるいな、と思ってしまう。
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2002-12-01 10:40開演 パルテノン多摩小ホール
監督は「こういうのもひとつの在り方」と云っていたけれど、「家」とか「血」とか「結婚」という制度の解体を描いているのは明かで。
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2002-11-30 14:00/19:00開演 駒場アゴラ劇場
1997年に上演された「病の記憶」の中から4編を再演。当時わからなかったことがわかったり、新しい発見もあったり。
「カルテ3 寄生植物園」は初演はびんびん反応しまくっていたのに、今回はなにも感じなかったというのが、収穫と云えば収穫だし、怖いことだなと。
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2002-10-06 14:00開演 全労災スペース・ゼロ
最初から最後まで笑いっぱなしで、久しぶりに笑った。かなり都合いいし、ばかばかしい話なんだけど。シチュエーションコメディ、だとは思う。一本の電話から思わぬ事態が展開され、その場をやり過ごすのにまた次に大きな話をしてしまい…という。口から出任せ云ってる内容や松尾貴史の口芸とか、毎度のことながら(いろんな意味で)色物の松永令子とか、人格の変わりっぷりがおかしかった。
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2002-09-14 14:30開演 築地本願寺ブディストホール
最初少しとっかかりがつかめなかったが、途中から俄然おもしろくなった。女優陣は総て宝塚出身者だったのだが、累を演じた戸田朱美は、実は最初俳優座とかの出身の役者かと思ってしまったほど見応えがあった。実体のない役で見せた存在感は、確かに宝塚では(学年とか役付きまで含めて)持て余すだろう。そして個人的には、お岩・伊右衛門よりも、直助権兵衛とお袖のエピソードのほうがかなり気になって仕方なかった。どう考えても義理の親父のお手つきだろうと思われるが、それを感じさせつつ感じさせないのは、敢えてお袖に「娘役」っぽい雰囲気を持たせたせいか? 四谷怪談を恋物語と解釈するのは取り立てて新しいものではないが、関係性だけみると、登場人物各々が死なないと救われない話だ。情念とか愛憎を一歩引いたところで見ている感覚があったので、救いようがない割にはそれが苦痛ではなかった。
お寺の中の施設でロビーは護摩まで焚かれて(? 線香の煙が充満していた)、強力に守られてるというのも滅多にない経験である。
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2002-09-08 14:20開演 新宿ジョイシネマ1
『タイムマシン』と迷ったあげく、『バイオハザード』にしたわけだが、途中何度『タイムマシン』にしておけばよかった、と思ったことか。どっちを観たって『Returner』と被る部分はあるわけだが。話が完結せず、後味がよいとは云えないが、次の舞台に進むという意味では、それもありかも。映像がクリアだったのが非常に印象深い。ミラのアクション(蹴り技)も格好良かった。
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2002-09-08 11:30開演 新宿コマ東宝
これは予告編見て行きたかった。ワイヤーアクションも観たかったし、このテの話は好きだし、なにしろ金城武だから。長い台詞になると日本語がたどたどしいのも、いいんです。それにガキに振り回される金城武の情けなさ具合もよかった。ストーリーはまあ… アクションがおもしろいのとあわせて、ツッコミどころも満載である。タイプスリップした時には過去の歴史を変えるべからず、と言う暗黙の了解を破っているのも、すごい話である。(宮部みゆきの『蒲生邸事件』で、歴史を変えたところで似たような事柄は必ず起きる≒流れには逆らえない、というのも目から鱗だったけど)
体液が出て今にも死にそうなゲートダグラが、自分の無力さにショックを覚えてる(と思われる)ミリの頬をなぞるところで、思いがけず涙がこぼれてしまったよ。2滴。ああいうナウシカと王蟲ちっくなシチュエーションには弱い。不覚だ。
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2002-07-20 14:00開演 全労災スペース・ゼロ
行ったら席がなかった。席番がバッティングしていたのだ。フロントに替わりに渡されたチケットの席も既に他の人が座っていた… 滅多にある経験ぢゃないし、空いてる席に座れたし、おまけに真帆しぶきに声かけてもらえたし、いいか。(よくない)
昨年は同時多発テロ、米国によるアフガン報復攻撃(多国籍軍によるタリバン駆逐作戦というのが正しいのだろうけど)があり、今年に入ってからも目立ったところではパレスチナ・イスラエル関係、インド・パキスタン関係が悪化の一途をたどっている。だから世界平和とか、そういうのが必然的にストーリー絡むのは予想できることだし、「言葉が通じなければ音楽で」「子供たちに平和を」と、言いたいことはわかるんだけど、なんだか出演者が熱演すればするほど、話が上滑りするような印象を受けた。手段としての演劇だから、作も演出もこなれてなくていいのかもしれないが、舞台の交通整理くらいはせめてできていてほしい。観る前までヒロシマの朗読劇かなにかと勝手に勘違いしていたのも、いまひとつと思ってしまった原因か。
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2002-06-26 19:00開演 東京グローブ座
2002-07-17 19:00開演 東京グローブ座
グローブ座カンパニーのほうは、「子供のため」と銘打っているだけあって、適度に刈り込みされて、ちょうどいい上演時間だった。「ヴェニスの商人」を今この時期に上演する凄さ… シャイロックに「ユダヤ人も人間なんだ、キリスト教徒と同じように生活をしてなにが悪い(要約)」と云わせるシェイクスピアも凄い。テキストを読んでいるだけではさほど感じないが、肉体を伴うことで、キリスト教徒の傲慢さを強く感じた(特にRSCのほうで)。また、ポーシャを演じたハーマイオニーの「シャイロックがキリスト教に改宗させられる悲劇は個人体験が基になっている(シェイクスピアは実はカトリック教徒で国教会に強制改宗させられたのではないか、と言う説がある)(要約)」と言う洞察力は鋭いと思った。
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2002-07-14 14:00開演 サンシャイン劇場
観客参加とか云って、1階だけぢゃん。2階なんて、ただの観覧者ぢゃん。観客参加がなければそれでもいいかもしれないが… 脱劇場の寺山修司なのに、どうして劇場機構にとらわれた演出なのだ。個人的には、このテの作品は、タイニイアリスとか、よくてサンモールあたりでやるのが、いいのではないかと(アングラだな〜)。それにしても、久世星佳は、燕尾着て嬉しそうだった。
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