宝塚歌劇団宙組 「傭兵ピエール」「満点星大夜總会」

2003-06-14 11:00開演 東京宝塚劇場


「満天星大夜總会」

詰め込みすぎのきらいはあるが、盛りだくさんと思えば。個人的にはかなり楽しめたのは、こういうの好き、という場面が多かったせいだろう。

このショーで一番おもしろかったのは、何と云っても、「銀幕街頭」である。とにかく、電影明星の椿火呂花のはじけっぷりに注目である。電影明星は、黙ってじっと立ってれば眉目秀麗のハズなのだが、そこはスカした勘違いスターなので、そのギャップが大きければ大きいほどおかしい。画一的なリズムを刻む人力テクノな様相の楽曲も、微妙にチープな感じがたまらなく、また滑稽さに拍車をかけている。電影明星が大型新人アイドルHANACHANGにコロッとメロメロになったり、引っ込みでぶつかった相手がマフィアのボス(美郷真也)で急にへこへこするあたりも、バカっぽくてよい。(イタイな) この場面の真の主役、花總まりもあの髪型あの衣装が似合っていて、あのテンションにも脱帽である。

銀幕街頭に次いで好物は星辰童話だが、こういうストーリー性のあるのは星奈優里が得意としていたな、とか、彩乃かなみもこういうのを演るような学年になったんだなとか、感慨深いものがあった。彩乃は、芝居のルイーズやこのサソリの女王をみると、娘役よりも女役のほうが身の丈に合うんのではないかなと思うのだが。いまや女役もいける娘役は貴重だよ。

中詰めは、懷メロだし、合同結婚式でハッピーで楽しいのだが、でもサザンはどうなんだろう。SHANHAI 1920と副題がついているのだから、いくら中詰めといえども、何とかならなかったか。使うんだったら、戦中歌謡までかなと思ったり。同じような既成曲を使うのでも、D.D.D! のほうがまだ、ロケット直前の若手銀橋ということもあるが、違和感無かった。

ほかにもオープニングとか大聖悟空とか、ココロくすぐられる場面がいくつか。盛りだくさんなだけに、勢いに任せている部分はあるが、なんとなく中国? というそれを拠り所にすれば、とりあえず芯は通っているので、散漫な印象もあまり受けずに済んだ。


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