「観劇ノ記録[impressions-西暦]」と題しているのに、ただの観劇(予定)表になっているのもどうかと…。観っぱなしという状態もナンなので、観劇メモです。ただし、鮮度が落ちてしまったものは捨てました。
2006-12-01 19:00 開演 北とぴあ・さくらホール
哲学者が、思いを寄せている娘を、その父親(吝嗇なお金持ち)をペテンにかけて、手に入れる、と云うオペラコミーク。哲学者も騎士も、その従者も好き合った娘と結ばれて大円団。(父親だけが散々な目に) 主人公が、哲学者と云うよりイケメンマッドサイエンティストで、書斎なのか研究室なのか、煌々とピンクのネオンサインが点灯しているのが、怪しさ満点である。(助手が、狼男とミイラ男なのは、もうジョークである) 反町顔のコロラトゥーラの騎士と云うのも、なかなかミスマッチなのがおかしさを誘っているような。
ソプラノの森麻季が、騎士と恋仲の次女役を演じていたのが非常にもったいないく感じた。これは贅沢な配役と云うのかしらん。
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2006-11-15 19:00 開演 北とぴあ・さくらホール
番組は以下のとおり。
月は見えないが虫の声で秋の風情を楽しむ座頭と意気投合した男が、座頭と別れた後、彼が盲目なことをいいことに、別人に成りすまして意地悪する。別人と信じて疑わず、「さっきの人とは違ってなんて情けのない人だ」(大意訳)と云って、静かに去る座頭が、哀れを誘う。シテ(座頭)の野村万作、アド(男)の野村萬斎ともに巧いから、なおさらだ。
羽衣を拾った漁師に対し、羽衣を返してくれたお礼に舞を舞う天女。綺麗だから家宝にしよう、天女の羽衣なら、天皇に献上しよう、と云う漁師も牧歌的。舞を舞う天女も、天に戻るのか、と思いきや引き返してきて続きを舞うのが、調子乗りまくりな感じで、ちょっとおもしろい。
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2006-11-04 14:00開演 新国立劇場中劇場
シラノのロクサーヌへの想いの丈は代筆の手紙で打ち明けられているけれど、ストイック、という感じが、舞台を日本、武士(に文士)に置き換えても、違和感がなかった要因なのかな、と。武士は食わねど高楊枝、的なやせ我慢も感じたり。
クリスチャンに相当する役(役名失念)が、無骨なのはともかく、むさくるしいのが、なんとも。ロクサーヌが恋するインパクトに弱いと思ってしまう。
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2006-02-16 11:00開演 15:00開演 宝塚大劇場
マリー・アントワネット生誕250周年で、星組、雪組でベルばら上演。雪組はオスカル編。男装の麗人オスカルが衛兵隊隊長に着任してからフランス革命で命を落とすまでを描く。同じオスカル編でも、91年の月組公演にはあったパリ市民の窮状を目にするシーンや、ディアンヌの死は削られ(そもそもディアンヌ〈山科愛〉は死なないのだ)、ロザリーのオスカルを想う場面が増えた。その分、アラン(水夏希)とオスカル(朝海ひかる)の心が接近する過程が見えてこず、子守唄を歌いだす件だけでは突然すぎる印象。オスカルのパリ出陣前夜に、一世一代の大告白をするロザリー(舞風りら)がいじらしく切ない。話題の、クレーンのペガサスに乗るオスカルは見せ場なのだろうが、本当に必要なのか疑問。ベルばら歌舞伎(植田歌舞伎でも可)と思って、内容には目をつぶって青筋立てずに観るのが賢明である。
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